さまざまな草花の彩りと樹々の芽吹きに満たされる季節。
高山村にうるわしい里山の春景色が巡ってきます。

 

3月

桃の節句

北信濃では旧暦で節句を祝います。桃の節句も、3月3日ではなく4月3日に行われ、都会よりもひと月長くお雛様を楽しむことができます。この時期、藤井荘では玄関に明治時代の中野の土雛を飾らせていただいております。土雛は、隣町・中野市の名産品で、江戸時代の文政期から作られ始めた伝統工芸品です。毎年3月31日と4月1日には『中野ひな市』が開かれ、全国から土雛ファンが訪れ、街が賑わいます。
また、当荘からほど近い須坂市の「豪商の館 田中本家博物館」では、毎年3月、江戸時代から現代までの豪華なひな人形250体余りが一斉に展示される「ひな祭り」が行われます。ぜひお立ち寄りください。

4月

お花見便り

4月になると、高山村にうるわしい里山の春景色が訪れます。さまざまな草花が彩りを添え、樹々が芽吹く季節です。全国から愛好家が集まるのが、村内各所に咲くしだれ桜の美しさです。里の緑を背景に、優美な花の滝が舞い降りる景観は、まさに圧巻。村内には約20本の名木があり、特に水中、坪井、黒部、赤和観音、中塩の桜は「高山五大桜」と呼ばれ、古いものは樹齢600年にも達し、高山村の歴史と共に歩んできました。里のしだれ桜の見頃は4月下旬ですが、山田温泉の延命桜、松川渓谷のオオヤマザクラと、桜の宴は5月下旬まで続きます。
また、当荘から車で15分の場所にある『さくら名所100選』に選ばれた須坂市の臥龍公園の桜並木や、長野市の善光寺の東側に広がる城山公園など、北信濃の春を彩る桜の名所もございます。

5月

山の茶屋オープンザウインドー

新緑が美しく、風が薫る5月。藤井荘のスタッフが最も好きな季節でもあります。この時期、藤井荘のロビーでは窓が全開となり、到着されたお客様は窓ガラスがあまりにきれいなので驚かれますが、実は窓が開いているのです。渓谷を渡る風、松川のせせらぎ、山肌の香り、小鳥のさえずり、そして清々しい新緑の美しさ…これらを五感で存分に味わっていただけます。何もしない贅沢な時間を、ぜひご体験ください。
例年、5月初旬に開放される「雷滝(かみなりだき)」は、藤井荘から車で10分ほどの場所にあります。「裏見の滝」とも呼ばれ、滝を裏側から見ることができる珍しい滝です。その名の通り、滝が落ちる音は雷のように豪快で、体にズシンと響きます。